PennHIPは、1983年にペンシルバニア大学獣医学科のDr.ゲイル・スミスが研究を始め、股関節形成不全を早期に診断する新しい科学的な方法を開発しました。この研究により16週齢という幼犬(他と比べてたいへん早い時期)で評価できる診断法が確立されました。PennHIPdistraction view(伸延法)というレントゲン写真では関節のゆるみが大きくはっきりと写し出す事が可能になりました。
Penn HIP法による検査で、股関節の緩みの程度がわかり、将来的に変性性関節症(加齢とともに関節に痛みを伴う疾患)を発症するかの予測ができます。(もうひとつの代表的な評価法であるOFAは関節の変性の診断は有効ですが、関節の緩みの診断は無効です。)犬の股関節のゆるみ度合いを正確に測るためには、レントゲン撮影の手順の中で特別なポジショニングが必要で、医師の技術が必要になります。
PennHIP法でレントゲン撮影を行うためには、患者自身と股関節周囲の筋組織が完全に弛緩していることが重要です。犬に苦痛を与えず、また安全を確保するために、この撮影法では深い鎮静もしくは全身麻酔が必要になります。そのために認定医制度が必要なのです。
一般にはこの撮影の間に3種類のレントゲン写真が作成されます。最終的にこの写真をペンシルバニア大学への郵送して診断をしてもらいます。Penn HIP法により正確かつ早期に股関節が完全であるという評価が得られることは、非常に重要なことです。また鑑定により、変性性関節炎の発現を最小限にするためのライフスタイルも計画できます。
|