慢性腎不全とは、腎臓の働きが除々に低下した状態をいいます。 老齢の猫ちゃん程発生頻度が高くなります。機能が低下した腎臓は治療しても元に戻ることはなく、少しずつ悪化していきます。 症状　 慢性の腎不全では、尿を濃縮する力が落ちる為、多尿となる一方、尿として体内から出ていった水分を補給する為に、水をよく飲むようになります。 腎臓のはたらきが、さらに低下すると排出すべき老廃物が体内に蓄積する為、高窒素血症（BUN、クレアチニン値の上昇）を起こし尿毒症へ進行します。 腎臓には赤血球を作る為に必要なホルモン（エリスロポイエチン）の産生や血液中の電解質（ナトリウム、カリウム、リンなど）の調節、血圧の調節などの働きがありますが、この機能も障害を受ける為、貧血や電解質の異常、高血圧症を引き起こします。一般症状としては、食欲不振、元気の消失、体重の減少、皮膚被毛の状態の悪化、嘔吐、便秘、高血圧症による眼底出血、網膜剥離による視力障害、低カリウム血症による虚脱などがあります。 診断　 一般症状の発現や、血液検査、尿検査で診断します。 治療　 症状が次第に悪化していく病気なので、できるだけ症状を緩和させ、腎臓の負担を軽くすることが治療の目的となります。 初期症状で食欲があり、大きな異常がみられない時は、食事療法を行います。 (1)一般的に低タンパク食と、ナトリウム、リンの制限が必要です。 (2)食事療法をすることによって、猫ちゃんの寿命が延びることがわかっています。 (3)現在は栄養を考慮した腎臓病用の療法食がありますので、変更を検討します。 (4)病気の進行とともに対症療法を行います。 copyright 2008 Hurry Pet Clinic All Rights Reserved.